永窪綾子さんは、養父市出身で所沢在住の日本児童文学者協会会員の詩人ですが、切り紙絵にもチャレンジされ、ご自身の詩集の表紙や挿絵にされています。
永窪さんは讀賣コミュニティ・カレッジにおいて児童文学を学ばれたあと、詩・童話・童謡の詩・エッセイ・コラムなどを様々な機会に発表されてきました。
小学校の教材図書に掲載されたり、私立中学校入試問題にも採用されています。
大屋小学校の校歌を作詞されていることをご存じの方も多いことでしょう。校歌には<大屋富士>の情景が描写され、小学生の気持ちもはばたくだろうと思われるような、のびやかで美しい歌詞です。
何年か前からはスリランカやモンゴルを訪問されることも多く、その旅行でインスピレーションを得られた詩が、日本語だけでなく、モンゴル語、スリランカ語、中国語でも翻訳・出版されました。
7月に入って、今年のお盆もコロナ禍で帰省はかなわないとさびしく思ったとき、思わず本棚からとりだしたのは以前購入していた、永窪さんの著書の1冊、『永窪綾子詩集』でした。
永窪さんの詩の、小動物や日常のできごとに心を寄せて紡ぎだされた、優しさとユーモアあふれる言葉にはいつも心温められますが、
特に『永窪綾子詩集』をひらくとき、幼いころ見ていたふるさとの景色、人々がなつかしく思い出されます。どこかに置き忘れてしまった、あの頃の気持ちがよみがえるのです。
<軒下にならんだすだれ柿>
<ミミズをつついている鶏 >
< 日なたぼっこしている鋤や鍬 >
<長ぐつの下でパリパリ音をたてる凍てついた雪 >
< 両手にスイカをかかえたおばあちゃん>
『永窪綾子詩集』現代児童文学詩人文庫10(いしずえ2003年)より
この詩集には、童話やエッセイとして永窪さんの幼少時代を想像させるお話も収録されていて、大切な故郷への思いが詰まった1冊になっています。
……詩集の中に登場する、いまはもう手の届かないものたち。
コロナの不安がなくなって、早く故郷へ帰りたいという思いがつのります。
その気持ちをお伝えしたくてお電話させていただいたところ、永窪さんから送ってくださったのが、自作の切り紙絵を表紙にした『てのひら詩集』と、疫病退散にご利益があるとのことでコロナ禍のいま話題になっている、アマビエをデザインした切り紙絵です。
永窪さんは詩の朗読会などのイベントを開催されていましたが、「現在は休止しています。また機会があればと考えています」とのお話でした。
『永窪綾子詩集』皆さまにもおすすめです!
永窪さんご連絡先:090-6476-2893(携帯)
『てのひら詩集』
記・柳沢